わたしだけの不思議の国のアリス

記念すべき1冊目のご紹介は、不思議の国のアリス。

アリスの物語は、発想がどこまでも無限で、虚をつかれたあの不安定感が満載の怪しい魅力。国も時代も越え、世界中で多くの様々な人々が虜になっており、私も小さい頃から何冊も読んでいてテニエルの挿絵も物語も大好きです。

2次創作としてオリジナル作品を描いている不思議の国のアリスのヒントになってたり、空想の世界へトラベルする装置としても活躍しています。

不思議の国のアリス』(ふしぎのくにのアリス、Alice’s Adventures in Wonderland)は、イギリスの数学者チャールズ・ラトウィッジ・ドドソンがルイス・キャロルの筆名で書いた児童小説。1865年刊行。幼い少女アリスが白ウサギを追いかけて不思議の国に迷い込み、しゃべる動物や動くトランプなどさまざまなキャラクターたちと出会いながらその世界を冒険するさまを描いている。キャロルが知人の少女アリス・リデルのために即興でつくって聞かせた物語がもとになっており、キャロルはこの物語を手書きの本にして彼女にプレゼントする傍ら、知人たちの好評に後押しされて出版に踏み切った。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ようこそ、ハンプティダンプティの世界へ
目次

1冊目:「不思議の国のアリス」の誕生:ルイス・キャロルとその生涯 (「知の再発見」双書)

ルイス・キャロルが一人の少女のために語って聞かせた物語から、不朽の名作『不思議の国のアリス』が生まれた。
その誕生までの軌跡と交遊のエピソード、彼の生涯を描く。

「不思議の国のアリス」の誕生ルイス・キャロルとその生涯 (「知の再発見」双書)

この本の魅力は、持ち運び便利で、手頃な手のひらサイズ本というところ。待ち時間など、ちょっと退屈したときに読むための手頃な本は、ついつい買ってしまいますよね。手頃なサイズですが作者ルイスキャロルを通してイギリスの時代背景、文化や児童文学を知れ、情報量は満載です。読みやすさとして、ルイス・キャロルが撮影した子どもたちの写真や、イギリスの時代背景の写真、アリスの挿絵、と、写真や絵が多く用いて解説しており、手軽に探求できます。不思議の国のアリスの誕生の背景を知る入門書としてオススメです。

2冊目:詳注アリス 完全決定版

全世界のアリス・ファンの尊敬を集める批評家、数学者ガードナーの遺作にして、アリス・マニアの聖典が待望の初翻訳! 学魔・高山宏による翻訳でお届けする、伝説のアリスうんちく大全! 

詳注アリス+完全決定版

この本は、ハードカバーで厚みもあるので持ち歩き向きではありませんが、キャッチコピー通りの完全決定版でアリスマニア必須の本です。しかし、子どもが読むには難解で、とりわけ数学者、科学者が対象となる大人のためのアリス本です。大人を魅了するのがアリスの本であり、精神分析的解釈など、読む年代によって捉え方が変わる。私も絵画や、童話など作品の精神分析を読み取るのが好きで、背景を遡って、考察したくなる。なので、ついつい、タイトルにも惹かれ、また尊敬の念を込めて買ってしまいました。本文を凌駕する量のうんちくやトリビアなどの注釈があり、正直、まだ読み終わっていません。少しずつ、時間をかけながら、読み進めている一冊です。

アリスがお姉さんの本をのぞいてみると、絵なんか一つもなくじほんおもて、 どこもかしこも字ばかりでした。(あーあ、こんな本のいったいどこがおもしろいのかしら)と、アリスは思いました。

不思議の国のアリスより

うんちくだなんて、字ばかりの本は面白くないわ、とため息交じりのアリスの声が聞こえてきそう・・何かを学ぶためだけじゃないもの、本の役目は。自分にあう本を探せばいい、自分の好きをしっかり持つことは大切ですね。

3冊目:不思議の国のアリス・オリジナル

「不思議の国のアリス」の始まりは、たった一人の少女のために作られた手作りのプレゼント・ブックでした。この史上最高のプレゼント・ブックを復刻。キャロル直筆の原本と解説・全訳の2巻セット。91年刊の新装版。

ルイスキャロル氏のお写真をデッサンしてみました。
不思議の国のアリス+オリジナル単行本

大英図書館秘蔵の原本の復刻本です。数学教師だった作者ルイス・キャロルがアリス・リデルにクリスマスプレゼントとして贈った手作りブック。エピソードとして、ルイスキャロルは、当時10歳だったアリスを主人公にした物語「果てしなく続くおとぎ話」をピクニックの道中で語り、アリスは、それを書き下ろしてくれるようにと、うるさくルイスキャロルにせがみ、幼いアリスが読みやすいように苦心して、原稿を手書きで仕上げました。本文を書き終えましたが、絵の才能がないキャロルは、挿絵に苦労したそうです。原本では、キャロルの挿絵がそのまま載っていますが、絵に苦労したとはいえ、見てきたかのように不思議の国の住人の有様を正確に伝えています。挿絵を描き終え、綺麗に彩色し、クリスマスプレゼントとしてアリスに贈りました。これが名作不思議の国のアリスの始まり。原本に当時の想いを馳せてしまいますね。

4冊目:新注 鏡の国のアリス

「不思議の国のアリス」とならび、ルイス・キャロルの不朽の名作である「鏡の国のアリス」。様々な解釈がされてきたこの作品を思いっきり自由に注釈した書。スピーディーかつ上質な笑いが楽しめる。

新注-鏡の国のアリス-ルイス-キャロル

『不思議の国のアリス』の続編です。前作では不思議の国を冒険した少女アリスでしたが、鏡の国のアリスでは鏡を通り抜けて異世界に迷い込みます。前作より知的で、アリスをはじめとする登場人物たちはチェスのルールに従って、鏡の国の中を行き来しています。ハンプティ・ダンプティやトゥイードルダムとトゥイードルディーのキャラクターも登場し、より魅力的になっている作品です。チェスのルールが分からなかったので、私はこの注釈つきの本で読みました(最初は複雑に解釈せずに読みました。)様々な解釈がありますが、アリス本は注釈があると更にハマるので、一冊は注釈つきの本を読むことをオススメします。

5冊目:不思議の国のアリス (挿絵=ラッカム)

チェシャー猫やおかしな帽子屋や三月ウサギなどおなじみのキャラクターが続々登場。 
アーサー・ラッカムの叙情的な幻想味あふれるカラー挿画でお届けする、キャロルの不滅の傑作!

不思議の国のアリス+挿絵+ラッカム

この本のご紹介理由は、アーサー・ラッカムのファンだから、です。アリスの挿絵は、テニエルの方が好きですが、アーサー・ラッカムの絵は素敵すぎます。。アーサーラッカムが描く妖精も好きだけど、特に好きなのは、3匹のくま、です。3匹のくまのお話も、ご紹介の一冊とする予定なので、その時に熱く語りますね(笑

簡単な感想として、不思議の国アリスを読んでいると、様々な解釈がありますが、私も、居心地の悪さを感じます。アリスの体が大きくなったり小さくなったり、理解者がいない住人達との理不尽な会話が腑に落ちず、落ち着かなかったりと、読んでいる側が、勝手に普通にしよう、元に戻そう、と理性が働いてしまうからかもしれません。だけども夢の中では、急に場面が変わっても不思議ではなく、次々と進行し、目が覚めた時に、あぁ、夢だったのか、と思える、まさに、そんな夢の中へ彷徨える物語です。夢だから、普通が欠けていてもいい。起きながらにして夢の中で遊べます。

また、物語の中で、次々と起こる不思議な状況であったとしても、気遣ったり、合わせようとするアリスは、窮屈な思いをして、非常に居心地が悪そうです(自分の心を殺している)。だけど、最後に意思を持って、発言し、本当の自分を取り戻すことで、目を覚まします。アリスは成長をしました。これは、きっと、自分の心を尊重し、相手に伝えること、自分を大切にすることへのメッセージにも思えます。

どんなことにも教訓はある。君がそれを見つけられるかどうかさ。

ルイス・キャロル

と、ルイスキャロルの名言もあるので、幼いアリスや、子供たちに、大人になる前に、そして大人になってからも気づくように、と、たくさんのメッセージを込めたように思います。

どの本も素敵なので、気になった本があれば、頁をめくって見てくださいね。大切な何かが見つかればいいですね。

執筆者 わたし

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